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日常で起こる様々な現象に、ツッコんだりボケたりするブログ。

『スーパーヒーロー柳田和男』

コント向けの内容です。ワンダーウーマン見てから、ヒーローもののストーリー書いてみたくなりました。全然感動できないヒーローストーリーなので悪しからず。



『スーパーヒーロー柳田和男』

柳田「あぁ〜、今日も暇だなぁ。何かこう…どこかで大きな事件でも起きないかなぁ?」
秘書「何、物騒なこと言ってるんですか。そもそも世の中を平和にしたのは自分のせいでしょ?」
柳田「スーパーヒーローになって1年足らずだけど…まさか、こんなにすぐに世界を救えるなんてなぁ…。敵が弱すぎるんだよ!最後の悪者倒してから、2ヶ月くらいヒーローの仕事が全然入らないじゃないか。これじゃあ、飢え死にしてしまうよ。」

(一本の電話が入る)
秘書「あっ、噂をすれば仕事の依頼が来たみたいです。はい、もしもし。こちらスーパーヒーロー柳田和男事務所です。仕事の依頼ですね…はい…はい…。(電話の話口に手を当てて)柳田さん、3丁目の銀行に強盗が入ったみたいですけど、どうしますか?」
柳田「あー、銀行強盗か…。相手が人間だとちょっと殴っただけで、複雑骨折させてしまうんだよ。俺じゃ危険すぎるから、警察に頼んでくれる?」
秘書「はぁ…。あの、もしもし。柳田はただいま別件が入っていまして、警察を呼んでもらってもよろしいでしょうか? 大変申しわけありません…。(ガチャ)あの柳田さん、私が言うのもなんですが、仕事を選んでいる状況ではないと思うのですが。力を抜いたりはできないのですか?」
柳田「いや、力は抜いてるつもりなんだけどさぁ?相手が弱すぎるからすぐに倒しちゃうんだよ。この前だって、カニの怪人がいたんだけど。軽〜くパンチしただけだよ?そしたら、殻がバリバリって砕けて、中からカニミソ的なやつがドロッと出てきたんだよ。あれには周りの一般人も引いてたなぁ〜。」
秘書「ヒーローってもっとカッコよく倒すものでしょ。反省してるんです?」

柳田「反省はしてるよ。戦い終わったらいつも反省してるんだけど、敵を目の前にするとつい張り切っちゃって…。そういえば、このまえ戦ったダークエンガワーとかそんな名前の敵はなかなか骨があったよな。はじめて切り傷をつけられたよ!あれには焦ったなぁ。」
秘書「あぁ、ダークエンペラーさんですね。だけど、向こうからしたら切り傷しかつけられなかったから、かなりショックだったみたいですよ?噂によると、あまりのショックに実家で引きこもっているとか…。」
柳田「あれくらいで引きこもるなんて、悪党の風上にも置けないな。そうだ!家から連れ出して、もう一度戦ってもらおう!俺も最近体がなまってたし。」


柳田「お、表札に『ダーク』って書いてあるから、ここかな。ピンポーン」
ダークママ「はいー、ダークですー。」
柳田「あっ、ダークエンペラーさんのお母様ですか?」
ダークママ「はい。そうですけども〜。もしかしてエンちゃんのお友達?」
柳田「悪の帝王なのに普段エンちゃんって呼ばれてるのかよ。は、はぁ。お友達というかライバルというか…まぁそんなところですね。エンペラーさんは大丈夫でしょうか?」
ダークママ「あの子、2ヶ月前からずっと部屋に閉じこもっているの。何かショックなことがあったみたいで、ずっと塞ぎ込んでいるのよ?もしかしたら、お友達の話だったら聞いてくれるかもしれないから、説得してもらってもいいかしら?」

柳田「はぁ、とりあえず頑張ってみます。こちらも死活問題ですので。おーい!ダークエンペラー聞こえるか?」(ドア開ける仕草)
エン「だ、だれだ!?」
柳田「俺だ。スーパーヒーロー柳田和男だ。」
エン「な!なんでこんな所まで来ているんだ?ここは我輩のアジトだぞ!」
柳田「アジトって実家じゃねぇか。」

エン「うるさい!ところで柳田、何でここにいるんだ?」
柳田「あれ、何で来たんだろ…?あっ、そうだ。部屋に閉じこもってないで、外に出てこい。」
エン「何でお前の指図を受けなきゃいけないんだ?そもそもお前からしたら、俺が出ない方がいいのではないのか?悪が世にはびこるぞ。」
柳田「ありゃ、確かにそうだ。あっ、そうそう。外に出て一緒に戦おう!」
エン「サザエさんの中島くんみたいなテンションで来るな。嫌に決まっているだろ、お前のせいで俺のプライドがどれだけ傷ついているのか分かっているのか?」
柳田「その節については謝るって!ごめん!俺もやりすぎちゃったなぁって思ってるんだ。次は力抑えて戦うから!ねっ?」
エン「お前には人を思いやる気持ちというものが無いのか?お前にとって俺なんて屁みたいなものなんだろ?」
柳田「馬鹿野郎!(ビンタする振り)あっ、ごめん力入った。」
エン「ひ、瀕死だぞ…」
柳田「馬鹿野郎。(かるーくビンタ)お前が屁なんて思ってない!お前ははじめて俺に切り傷をつけた男だ。俺はお前に期待しているんだぞ!」
エン「え…。」
柳田「さぁ、俺の良きライバルとして一緒に戦ってくれないか?」
エン「お、おれで良いのか?」
柳田「あぁ、むしろお前じゃなきゃダメなんだ。」
エン「柳田…」


柳田「あっ、ちなみに戦うにあたっては、ダークエンペラーにはちょっと相談があるんだよね。」
エン「急にテンションが変わったな。え、相談?何だ?」
柳田「おい、秘書!仕事だ。出てこい。」
秘書「はじめまして、柳田の秘書でございます。流石にエンペラーさまに無償で戦ってもらうのは、こちらとしても心苦しいものがありますので、ここはひとつ『契約』を結びませんか?」
エン「契約?」
秘書「はい。もしエンペラーさまとウチの柳田が戦うと、ヒーロー協会から報酬が支給されます。その報酬の25%をエンペラーさまにお支払いいたします。こっちサイドとしては戦いの場が得られて、エンペラーさまとしても一定の報酬を得られる。つまりwin-winの関係でございます。」
エン「ま、待て。たしかにどちらとも得をする良い話なんだが、それってヤラセじゃないのか?」
秘書「何をおっしゃっているのです、ダークエンペラーさま!ヒーローものでは、この手のヤラセは常識なのですよ?」
エン「え、そうなのか?」
秘書「よく考えてみてください。ほとんどの悪党は倒されたあとに復活しているでしょう?普通だったら悪は根絶やしにすればいいのに…。それをしないということは、ヒーローも殺さないように手加減しているのです。」
エン「そ、そうだったのか…なんかショックだなぁ。」

柳田「俺も最初聞いたときはびっくりしたよ。けど、ヒーローとして生きるにはこれしか道は無かったってことさ。さぁ、エンペラー。俺とタッグを組んで、上手くやっていこうじゃないか。」
エン「俺にできるかなぁ。」
柳田「何言ってるんだよ!お前は俺が認めた悪党だ。立派にやっていけるさ!さぁ、一緒に外に出よう。」


ダークママ「あ、エンちゃん…。出て来てくれたのね…。」
エン「ママ…心配かけてごめんね。ボクこれから、お父さんみたいに立派な悪党になるよ。」
ダークママ「まぁ!エンちゃん、見ないうちに大人になったのね…。お友達のかた、本当にありがとうございます。お名前を聞かせていただいてもよろしいですか?」
柳田「苦しんでいる子がいれば颯爽と駆けつける!我こそがスーパーヒーロー柳田和男だ!」
ダークママ「え!?ヒーロー?エンちゃん、この人敵よ!さぁ、やっておしまい!」
柳田「ちょっと待ってくださいお母様。まだ報酬が払えませんので、続きは次回の放送でお願いします。」