Digit!

日常で起こる様々な現象に、ツッコんだりボケたりするブログ。

雑草たちの雑すぎる名前『雑ネーム』をまとめてみた!

ここ最近、雑草にハマっている。

通勤中や散歩中に雑草を見つけては、食べれる雑草か食べられない雑草かを見分けてニヤニヤしている。意外と思われるが、セイヨウタンポポやシロザなど都会にも食べられる雑草は多い。排気ガスがひどいので美味いかどうかは微妙だが…。

あなたは、雑草にどんなイメージを持っているだろうか? 畑では抜いても抜いても生えてくるので、農家の方にとっては目の敵である。一方で、「雑草のように強く生きろ」とよく言われるように、踏まれても立ち上がる強いものの象徴ともいえる。

一般的には、生命力が強いと思われているのだろう。しかし、それは大きな誤解。実は雑草は弱い存在なのだ。園芸用の草花が近くにいると、弱い雑草は育ちにくくなる。そこで、道ばたや線路脇など、他の植物が居ない場所を求めてさすらう。過酷な環境で育つのは、強いからではなくて、ライバルが居ないからなのだ。

あぁ、なんと儚くて愛しき雑草。尊い…。

雑ネームを付けられている雑草たち

そんなか弱き雑草たちだが、憎まれているせいかヒドイ名前を付けられることが多い。今回はそんな雑すぎる名前『雑ネーム』を紹介していこう。

オオイヌノフグリ

青や青紫の可憐な花を咲かせる「オオイヌノフグリ」。その名前を現代風に言うと、「大きい犬のキンタマ」。実が二股に分かれていて、「ω」な形をしていることから名付けられた。バイキングの小峠さんが松本人志さんに「チンチンみたい」って言われてたが、それと同じくらい屈辱的。ちなみに小さいサイズの「イヌノフグリ」という雑草がいるが、そちらの方がキンタマ感は強い。

ハキダメギク

植物学者の牧野富太郎博士が、東京世田谷区のゴミ溜めで発見したことから名付けられた。なんて運が悪いのだろうか。豪邸の庭で発見されていたら「ゴージャスガーデンギク」とか気品ある名前だったのに…。3つに分かれた花びらが5枚離れてついていて、サザエさんみたいでなんか可愛い。

コオニタビラコ

コオニタビラコと聞いても知らない人がほとんどかもしれないが、実は春の七草の「ほとけのざ」のこと。田んぼによく生えている雑草で、田んぼで平たく葉を広げるから「田平子(たびらこ)」と呼ばれている。

コオニタビラコと名付けられた経緯がめちゃくちゃ。もともとはコオニタビラコは「タビラコ」と呼ばれていた。しかし、それよりも一回り大きな「オニタビラコ」が出現。すると、オニタビラコよりも小さいから「小鬼」と名付けられた……いや、そこはタビラコで良いだろ。坂本一生が「新加勢大周」だったから、「元祖新加勢大周」と名付けるようなもんだ。

どうしてこんな名付け方をしたのか、問い詰めたい。

ヘクソカズラ

漢字で書くと「屁糞蔓」。元々は「屁臭(ヘクサ)」と呼ばれていて、葉や茎を揉むと独特なにおいがする。ちなみに、ヘクソカズラ花言葉は「人嫌い」。そりゃあ、こんな雑ネーム付けられたら嫌いになりますわな。

「オオバコ」

オオバコ自体は雑ネームではないが、別名がヒドイ。

種子はゼリー状の物質を持っていて、雨で濡れると粘着してひっつきやすくなる。そのため、人の靴にくっついて別の場所に種を蒔くことができる。種子がしつこくまとわりつくことから別名「ブスの恋」と名付けられた。

おい、全国のブスに失礼やぞ。

「カス間草」

マメ科の雑草に「カラスノエンドウ」と「スズメノエンドウ」がいる。その2つの中間くらいの大きさだから、最初の1文字を取って「カス間草」と名付けられた。

「ツバメノエンドウ」なら良かったのに、雑すぎるネーミングのせいで「カス」という称号が付いてしまった。僕が思うに、この名前つけた人わざとだろ!

雑草を雑に扱わないでね!

雑ネームを名付けられている、かわいそうな雑草たち…。道ばたで見つけたときは、踏みつけるのではなく、そっと見守ってあげましょうね。

山手線変人ラプソディー

山手線には、時々とてつもない変人がいる。

見た目が奇抜なのは二流だ。ゴスロリの格好をしたおばさんに出会ったが、そういう人は意外と中身は普通だったりする。

本当にヤバいのは、見た目が普通な変人。仕事帰りに山手線に乗っていたら、60歳後半くらいの小さなおじさんが駆け込んで来た。彼は目の前に立っていたのだが、おもむろにノートブックを取り出す。見ちゃいけないとは思いながらも、欲望には逆らえない。おじさんにバレないように、そーっとノートを覗き見る。

びっくりしたのだが、そこにはビッシリと卑猥なセリフが書き込まれていた。そう、おじさんは官能小説を書いていたのだ。初老の小説家は、ペンを走らせている。こんな電車の中で書かなくてもいいだろ…。恥ずかしくないのかよ? いや、僕が間違っているのかもしれない。官能小説といえども、彼にとっては一つの作品なのだ。恥ずかしさなんて無いのだ。

ノートの隅っこを見てみると、メモ書きが。「アナル」にバツ印をして「アヌス」にしていた。なんじゃその、こだわり。

それにしても、ビジネスマンばっかりの電車の中でよく官能小説が書けるな。何がおじさんの想像力を掻き立てるのだろうか?おじさんがチラチラと広告を見ていた。あぁ、なるほど。広告の女優を見て妄想しているのか。そう思って広告を見てみたら、Google Homeの広告だった…。OK Google。このおじさんに直木賞をあげてくれ。

迷走レストランテ

門前仲町で、遅めのランチ。ぶらぶらと歩いていたら、変なお店を見つけた。

看板は「トラットリア◯◯」と本格的なイタリアンっぽいのだが、入り口にはデーン!と大きく「居酒屋」の暖簾。そして窓の隙間から覗くと、どこにでもありそうな喫茶店。あ、これ。ごった煮みたいに何でも詰め込んで、迷走しているパティーンだ。カオスっぷりが面白かったので入店してみた。

入ってみると、そこはお通夜状態。照明は薄暗くて、客は誰一人としていない。おばちゃんの店長は暇そうに椅子に座っていた。これが平日の昼間ならまだ分かるが、休日のランチタイムだからなぁ。心配になるほど閑散としてるが、店構えはなかなか古く昔からあるみたいだ。どうして今までやってこれたのだろうか?御曹司か何かか?

おばちゃんがニコニコしながらやって来たので、「おすすめは?」と聞くと「焼うどん」と即答。焼うどんって…。イタリアンの誇りは無いんかい。おばちゃん曰く、コーヒーのセットが安いらしい。焼うどんとコーヒーが合うとは至極思えないが、とりあえずその通りにしてみた。

しばらくして出て来たのは、おふくろ感の凄い焼うどん。具材はニンジン、玉ねぎ、レタス、豚肉。背骨が抜けたようにコシのないうどん。味付けは塩味。ていうか、塩コショウかけただけ。おばちゃんが味足らなかったら塩コショウかけてねと一言残して、卓上食塩を目の前に置いて来た。食べてたら「お兄ちゃん辛いのすき?」って、CMでよく見る「香味なんちゃら」を勧めてきた。もう、料理人のプライドは無いみたいね。


イタリアン+割烹、中華+フレンチみたいに、2つのジャンルを組み合わせたお店は、美味しい料理が出てくる。それぞれのジャンルのいい部分を抽出して、新たなジャンルに昇華しているからだろう。しかし。3つのジャンルを組合わせた(詰め込んだ)お店は、方向性も定まってないからやっぱりダメだね。

合うはずもない食後のコーヒーを飲みながら、そんなことを考えていた門前町のランチタイムでした。

買い物じぃじー

うーん、子供というのは面白い生き物だ。

今日は上野の森美術館で『怖い絵展』がやっているので行ってみたが、何と70分待ちの大行列。そこまで見たくもなかったので、そそくさと退散。その帰りに夕飯の準備のために、スーパーで買い物。飲料水売り場で物色していたら、手に持っていた買い物カゴが急にズシッと重くなった。

何事?と、思って見ると。カゴの中には、入れたはずのない野菜ジュース。そして、僕の真横でジッとこちらをながめている3〜4才くらいの女の子。一瞬何が起こったのか分からなくてキョトンとしてると、その子の母親が「ごめんなさい!」と駆け寄って来た。

なるほど。女の子が間違えて僕のカゴに商品を入れたらしい。「大丈夫ですよ〜」と笑いながら対応し、子供は微笑ましいなぁと思っていると、僕の背後でその母親が一言。「じぃじのカゴはあっちでしょ」。

そんな。ジジイと間違えられていたなんて。泣きたくなるわ。

短編『行列人間』

休日になると、都内をぶらぶらと歩いてしまう自分がいる。これといった用事も目的地も無いのだが、地元の人しか知らないような神社仏閣などに出会うと楽しくなる。偶然の出会いというのだろうか。この歳になってくると、想定外で無いと楽しめない自分がいるのだ。

道路沿いの並木道を歩いていると、ふと目に入ったのが長蛇の列。太陽光が降りそそぐ昼間っから、よくもまぁ我慢できるもんだ。行列嫌いの僕からすると考えられない。……それにしても長い。いや、長すぎる。背伸びして遠くを眺めても、行列の先頭が見えない。一体これは何の行列なのだろうか?


行列に並んでいた夫婦に話しかけてみる。
「つかぬ事をお聞きしますが、この行列は何の行列なのですか?」
「はぁ、私たちも詳しくは知らないのですが。周りの話を聞く限り、この先にミシュラン1つ星を獲得したイタリアンがあって、ランチタイムは格安で提供しているみたいなんですよ。」
「はぁ、そうですか。ありがとうございます」

変な人たちだ。何の行列なのかよく分からないで並んでいるなんて。それにしても、昨今は行列のできるお店が多すぎる。メディアで露出すると、自称グルメの人たちが駆けつける。彼らにとって大事なのは、味が美味いうんぬんじゃ無いのだ。「テレビに出てた店に行った」「行列が凄かった」などの、話のネタを探しに行っているだけなんだ。


ふと行列に目を向けると、20代くらいの若い男性が並んでいた。身なりが少し小汚く、グルメを気取っている感じでは無い。彼だったら何か知っているかもしれない。
「ちょっといいかな?」
「あ、はい。何でしょうか。」
「この行列は何を待っているのですか?」
「それがですね、傍聴席の抽選があるみたいなんです。」
「傍聴席?」
「この先に、地方裁判所があるのはご存知ですよね?そこで初公判が行われるらしく、みんな並んで抽選券を待っているんです。傍聴席は20席なので、かなりの倍率になりそうなんですよ。」
「ちなみに、その事件って何なのですか?」
「いや、それが。僕もそこまでは知らないのです。芸能人が覚醒剤を所持してたとか、そこらへんじゃないですか?」
「そ、そうですか。」


さっきと全く話が違うじゃないか。どちらが正しいのだろうか?確かに傍聴席抽選で並ぶ話は聞いたことあるけど、流石にニュースになってるだろう。

歩きながら行列の人々を見ていると、1人の男性が簡易チェアに座って待っていた。彼なら知ってそうだ。わざわざチェアを持っているってことは、行列に並ぶためにここに来たに違いない。40そこそこの彼のもとに近づくと、ギラリと目を細めて睨まれる。
「ちょっとあなた、割り込みは禁止ですよ。」
「いやいや、すみません。割り込みではないんです。ちょっとお聞きしたいことがあるのですが、これは何の行列なのでしょうか?」
「あなたねぇ、そんなこと聞くなんて野暮ですよ?」
「へ?」
「山登りの名言にもあるでしょ?『そこに山があるから』って。私もそこに行列があるから並んでいるだけなんです。」
「あなたは何者なんです?」
「私ですか?生粋の行列マニアでして、全国津々浦々の行列を巡る旅をしているものです。」
「行列マニアですか。」
「行列の長さ・回転率の速さ・行列の並び心地などをレビューして、ブログにアップしています。行列業界では大人気なんですよ。」
「そ、それは凄いですね。で、では忙しいので失礼します。」


あ、危なかった。ああいったタイプは話し出すと止まらなくなるんだ。何なんだよ、行列マニアって。そんなニッチすぎる趣味聞いたことがない。まさか、ここに並んでいる人たち全員で、自分を馬鹿にしているのではないのだろうか?ふと、そんな疑惑が湧き上がった。もう我慢ならない。行列の先頭まで行って、真実を暴いてやる。僕は行列に沿って歩き始めた。


……

あれから何年歩いただろうか。

いくら進んでも、行列の先頭は見えてこない。東京を出発して、名古屋、関西、福岡へと進み。フェリーに乗って韓国へ渡る。小舟に乗って北朝鮮へと密入国し、今は中国西部の敦煌までやってきた。人々は砂漠の気候変動に耐えながら、砂混じりの風に吹かれている。それでもまだ行列の終わりはやってこない。

地面に崩れるようにして座り、ふと昔のことを思い出す。あれは僕が行列を見つけた頃だっただろうか。行列マニアという男がいて、行列に並ぶのは『そこに山があるから』と同じだと言っていた。けど、今思うとその発言は間違っていると思う。山は頂上が見えているから、登り甲斐があるのだ。この行列には終わりが見えてこない。並び甲斐が一切ないのだ。

この行列を例えるならば……。幸せ。そう、幸せを求めるようなものなのかもしれない。人間は幸せになりたくて努力する。仕事を頑張って、貯金をためて、家族を養い、安定した生活を目指す。その先には幸せがあるのだと信じて。しかし、幸せな暮らしになったと思っても、どこかで不満を感じてしまう。そうしてまた幸せを探し始める。「幸せの青い鳥」のように、どこまでも追い求める。

原作では、チルチルとミチルは青い鳥を見つけられず、旅を終え家に戻る。目覚めると部屋で飼っていたキジバトが青い鳥になっていた。おそらく「本当の幸せは身近なところにある」ってことを伝えたいのだろうが、現実はそう甘くない。人間とは追求する生き物。幸せをもとめる欲求は尽きることがない。


僕は、もう力が尽きた。立ち上がる気力すらない。行列に並ぶ人々の横で、ひれ伏すように倒れこむ。あぁ、戻れるなら行列を見つける前に戻りたい。行列の人々は、死んだように倒れている僕を冷たい目で眺めている。どうかいっそのこと、笑ってくれ。同情されるほど辛いことはない。

僕がこのまま死んだとしても、行列は止まることなく進むのだろう。並んでいる彼らは、穢れを知らない子供のような目で、ただひたすら遠くにある終わりを眺めていた。

『スーパーヒーロー柳田和男』

コント向けの内容です。ワンダーウーマン見てから、ヒーローもののストーリー書いてみたくなりました。全然感動できないヒーローストーリーなので悪しからず。



『スーパーヒーロー柳田和男』

柳田「あぁ〜、今日も暇だなぁ。何かこう…どこかで大きな事件でも起きないかなぁ?」
秘書「何、物騒なこと言ってるんですか。そもそも世の中を平和にしたのは自分のせいでしょ?」
柳田「スーパーヒーローになって1年足らずだけど…まさか、こんなにすぐに世界を救えるなんてなぁ…。敵が弱すぎるんだよ!最後の悪者倒してから、2ヶ月くらいヒーローの仕事が全然入らないじゃないか。これじゃあ、飢え死にしてしまうよ。」

(一本の電話が入る)
秘書「あっ、噂をすれば仕事の依頼が来たみたいです。はい、もしもし。こちらスーパーヒーロー柳田和男事務所です。仕事の依頼ですね…はい…はい…。(電話の話口に手を当てて)柳田さん、3丁目の銀行に強盗が入ったみたいですけど、どうしますか?」
柳田「あー、銀行強盗か…。相手が人間だとちょっと殴っただけで、複雑骨折させてしまうんだよ。俺じゃ危険すぎるから、警察に頼んでくれる?」
秘書「はぁ…。あの、もしもし。柳田はただいま別件が入っていまして、警察を呼んでもらってもよろしいでしょうか? 大変申しわけありません…。(ガチャ)あの柳田さん、私が言うのもなんですが、仕事を選んでいる状況ではないと思うのですが。力を抜いたりはできないのですか?」
柳田「いや、力は抜いてるつもりなんだけどさぁ?相手が弱すぎるからすぐに倒しちゃうんだよ。この前だって、カニの怪人がいたんだけど。軽〜くパンチしただけだよ?そしたら、殻がバリバリって砕けて、中からカニミソ的なやつがドロッと出てきたんだよ。あれには周りの一般人も引いてたなぁ〜。」
秘書「ヒーローってもっとカッコよく倒すものでしょ。反省してるんです?」

柳田「反省はしてるよ。戦い終わったらいつも反省してるんだけど、敵を目の前にするとつい張り切っちゃって…。そういえば、このまえ戦ったダークエンガワーとかそんな名前の敵はなかなか骨があったよな。はじめて切り傷をつけられたよ!あれには焦ったなぁ。」
秘書「あぁ、ダークエンペラーさんですね。だけど、向こうからしたら切り傷しかつけられなかったから、かなりショックだったみたいですよ?噂によると、あまりのショックに実家で引きこもっているとか…。」
柳田「あれくらいで引きこもるなんて、悪党の風上にも置けないな。そうだ!家から連れ出して、もう一度戦ってもらおう!俺も最近体がなまってたし。」


柳田「お、表札に『ダーク』って書いてあるから、ここかな。ピンポーン」
ダークママ「はいー、ダークですー。」
柳田「あっ、ダークエンペラーさんのお母様ですか?」
ダークママ「はい。そうですけども〜。もしかしてエンちゃんのお友達?」
柳田「悪の帝王なのに普段エンちゃんって呼ばれてるのかよ。は、はぁ。お友達というかライバルというか…まぁそんなところですね。エンペラーさんは大丈夫でしょうか?」
ダークママ「あの子、2ヶ月前からずっと部屋に閉じこもっているの。何かショックなことがあったみたいで、ずっと塞ぎ込んでいるのよ?もしかしたら、お友達の話だったら聞いてくれるかもしれないから、説得してもらってもいいかしら?」

柳田「はぁ、とりあえず頑張ってみます。こちらも死活問題ですので。おーい!ダークエンペラー聞こえるか?」(ドア開ける仕草)
エン「だ、だれだ!?」
柳田「俺だ。スーパーヒーロー柳田和男だ。」
エン「な!なんでこんな所まで来ているんだ?ここは我輩のアジトだぞ!」
柳田「アジトって実家じゃねぇか。」

エン「うるさい!ところで柳田、何でここにいるんだ?」
柳田「あれ、何で来たんだろ…?あっ、そうだ。部屋に閉じこもってないで、外に出てこい。」
エン「何でお前の指図を受けなきゃいけないんだ?そもそもお前からしたら、俺が出ない方がいいのではないのか?悪が世にはびこるぞ。」
柳田「ありゃ、確かにそうだ。あっ、そうそう。外に出て一緒に戦おう!」
エン「サザエさんの中島くんみたいなテンションで来るな。嫌に決まっているだろ、お前のせいで俺のプライドがどれだけ傷ついているのか分かっているのか?」
柳田「その節については謝るって!ごめん!俺もやりすぎちゃったなぁって思ってるんだ。次は力抑えて戦うから!ねっ?」
エン「お前には人を思いやる気持ちというものが無いのか?お前にとって俺なんて屁みたいなものなんだろ?」
柳田「馬鹿野郎!(ビンタする振り)あっ、ごめん力入った。」
エン「ひ、瀕死だぞ…」
柳田「馬鹿野郎。(かるーくビンタ)お前が屁なんて思ってない!お前ははじめて俺に切り傷をつけた男だ。俺はお前に期待しているんだぞ!」
エン「え…。」
柳田「さぁ、俺の良きライバルとして一緒に戦ってくれないか?」
エン「お、おれで良いのか?」
柳田「あぁ、むしろお前じゃなきゃダメなんだ。」
エン「柳田…」


柳田「あっ、ちなみに戦うにあたっては、ダークエンペラーにはちょっと相談があるんだよね。」
エン「急にテンションが変わったな。え、相談?何だ?」
柳田「おい、秘書!仕事だ。出てこい。」
秘書「はじめまして、柳田の秘書でございます。流石にエンペラーさまに無償で戦ってもらうのは、こちらとしても心苦しいものがありますので、ここはひとつ『契約』を結びませんか?」
エン「契約?」
秘書「はい。もしエンペラーさまとウチの柳田が戦うと、ヒーロー協会から報酬が支給されます。その報酬の25%をエンペラーさまにお支払いいたします。こっちサイドとしては戦いの場が得られて、エンペラーさまとしても一定の報酬を得られる。つまりwin-winの関係でございます。」
エン「ま、待て。たしかにどちらとも得をする良い話なんだが、それってヤラセじゃないのか?」
秘書「何をおっしゃっているのです、ダークエンペラーさま!ヒーローものでは、この手のヤラセは常識なのですよ?」
エン「え、そうなのか?」
秘書「よく考えてみてください。ほとんどの悪党は倒されたあとに復活しているでしょう?普通だったら悪は根絶やしにすればいいのに…。それをしないということは、ヒーローも殺さないように手加減しているのです。」
エン「そ、そうだったのか…なんかショックだなぁ。」

柳田「俺も最初聞いたときはびっくりしたよ。けど、ヒーローとして生きるにはこれしか道は無かったってことさ。さぁ、エンペラー。俺とタッグを組んで、上手くやっていこうじゃないか。」
エン「俺にできるかなぁ。」
柳田「何言ってるんだよ!お前は俺が認めた悪党だ。立派にやっていけるさ!さぁ、一緒に外に出よう。」


ダークママ「あ、エンちゃん…。出て来てくれたのね…。」
エン「ママ…心配かけてごめんね。ボクこれから、お父さんみたいに立派な悪党になるよ。」
ダークママ「まぁ!エンちゃん、見ないうちに大人になったのね…。お友達のかた、本当にありがとうございます。お名前を聞かせていただいてもよろしいですか?」
柳田「苦しんでいる子がいれば颯爽と駆けつける!我こそがスーパーヒーロー柳田和男だ!」
ダークママ「え!?ヒーロー?エンちゃん、この人敵よ!さぁ、やっておしまい!」
柳田「ちょっと待ってくださいお母様。まだ報酬が払えませんので、続きは次回の放送でお願いします。」

新作落語『ゴルフ指南』

枕は書いて無いですが、ゴルフの話を作ってみました。今までよりもボケの数を増やしまくっています。


『ゴルフ指南』

部長「小池くん、明日ゴルフなんてどうかい?」
小池「大木部長、誘ってくれるのは嬉しいのですが、あっし生まれてこのかたゴルフというものをやったことないんですよ。野球か競馬くれぇしか興味がなくて…」
部長「色んな趣味をもつのもいいだろう。どうだ、僕がゴルフを教えてあげるから、始めてみないかい。」
小池「えぇ!それは願ったり叶ったりです。よろしくお願いします。」
部長「まずは打ちっ放しがいいかねぇ。」
小池「その何とかっぱなしってやつ、あっし得意ですよ。」
部長「お、小池くんやったことあるのかい。」
小池「へぇ、洗面台の水は出しっぱなし、服は脱いだら脱ぎっぱなし、風邪ひいたときなんて鼻水垂れ流しっぱなしです。」
部長「汚いねぇ。打ちっ放しもいいけど、コースを回ってみようか。君ならこまごまと練習するよりかは、実際に言ってみてコツを掴んだほうがいいだろう。」
小池「あっし道具とか持ってないんですが、大丈夫ですか?テントとか、海パンとか、バーベキューセットとか用意しなくていいでしょうか?」
部長「何だい、キャンプにでも行くつもりかい。いやいや、道具の用意は僕がしておくよ。小池くんは身一つでやってくればいいから。」
小池「よっ!部長太っ腹、土手っ腹、ビールっ腹!」
部長「それ全然褒めてないから。じゃあ、明日ゴルフ場にやって来てくれ。」


翌日、千葉県の外れにあるゴルフ場にやってきた二人。
部長「おっ、小池くん。こっち、こっち!」
小池「部長おはようございます。ゴルフってこんな朝早くからやるんですね。」
部長「そうだね。朝9時くらいから始めて、終わるのは午後4時とかそれくらいかな。」
小池「えぇ!そんなにやるんですか?それは困ったなぁ。」
部長「困ったって何か用事があるのかい?」
小池「へぇ、今日は東京競馬場で大事なレースがあるんです。」
部長「何だい競馬かい。今日くらいは競馬のことは忘れなさい。」
小池「そんなぁ目をつけていた馬がいたのに!じゃあ部長。その馬が勝ったら立て替えてくださいね。」
部長「おいおい、何で私が払わなきゃいけないんだよ。まぁ、早速はじめようじゃないか。手続きは済ませておいたから。こちらが今日ついてくれるキャディーさんね。」
小池「部長もスミに置けないなぁ。これですか?(小指を立てる仕草)奥さんが来ないからって、愛人を連れてくることないでしょ。」
部長「バカだね。愛人な訳あるかい。この人はキャディさんといって、われわれに付いてサポートしてくれる人なんだよ。」
小池「ま、ま、マイネームイズ小池。ハーワーユー?」
部長「何で英語なんだい」
小池「だってキャディさんって名前なんでしょ?」
部長「違うよ!ただの職業の名前だよ。顔だってどうみても日本人じゃないか。」
小池「ああ、ほんとだ。ふつつかものですがよろしくお願いします。」
部長「そんな挨拶があるかい。それじゃあ、そろそろ始めようか。」

小池「では、あっしが用意しますね。」
部長「用意?ちょっと、小池くん。正気かい?レジャーシートを広げるんじゃないよ!」
小池「逆に聞きますけど、こんなに緑が豊かで、空気もうまい。絶好の宴会日和とは思いませんか?部長の好きな日本酒も用意してありますよ。」
部長「小池くん、恥ずかしいから本気でやめてくれ。キャディさんが苦笑しているじゃないか。早く片付けて!」
小池「えぇ、もったいないなぁ。じゃあ何するんです?」
部長「ゴルフだよ!いいかい、遠くに旗が見えるだろ。あそこに向かってボールを打つんだ。まずは、ドライバーからかな。」
小池「日曜大工でも始めるんですか?」
部長「別にネジ締めるんじゃないよ。ドライバーというのはボールを打つ竿の一つで、ウッドの中で一番大きいもののことをいうんだ。」
小池「ははぁ、なるほど。それがことわざの語源だったんですね。」
部長「どういうことだい。」
小池「だから「ウドの大木」でしょ?」
部長「ウドじゃなくてウッド!じゃあ、そのクラブを持って、構えてみようか。」

小池「(クラブを持って野球のバッターの構え)準備OKです!さぁ、部長。ボールを投げてください!」
部長「いかん、頭が痛くなってきた。思っていたよりもひどいぞ。小池くん!それは野球の構え!クラブの先端に、膨らんでいるところがあるだろ?そこに置いているボールを当てて打つんだ。」
小池「あぁー!このタヌキの金玉袋みたいなところっすね。」
部長「タヌキの金玉袋って…。まぁいい。その金玉袋に当ててくれ。」
小池「あっ、やっぱやめときましょ。想像しただけで痛くなってきた。この部分に当てればいいんですね。うりゃー!お、結構飛びましたね。」
部長「ああ、飛んだな。…クラブがね。野球じゃないんだから、打ったあとに放り投げるんじゃないよ。はい、拾ってきてもう一回。」

小池「へへ、すみませんね。よっとせの、うりゃー!ありゃー、変な方向に行っちまった。」
キャディ「ファー!」
小池「うわっ!キャディさんが叫びはじめたよ。こりゃ俺も負けてられねぇや。ソー!」
部長「何やってんだい。」
小池「ファの次はソでしょ?」
部長「音楽のテストやってるんじゃないんだから。あれはね、ボールが危険な方向に飛んだから「危ないですよー」の意味をこめて叫んでいるんだ。」
小池「それだったら、うちの団地の中はファーファー言いっぱなしですよ。」
部長「どういうことだい?」
小池「どこの家も、家計が常に危ないんですよ。」
部長「変なこと言ってるね。さて、ボールがどこに落ちたか見に行こうか。ありゃ、ラフに入ってしまったね。」
小池「えっ。どこに裸の女がいるんですか?どこどこ?」
部長「そんなわけあるまい。キャディさん、ここからあと何ヤードくらい?350ヤード?ふむ。じゃあ8番アイアンがいいかね。」
小池「では、あっしは3番ショートで。」
部長「野球のことは忘れなさい。」

それから何だかんだで、ピンのそばまでやってきた。
小池「部長!旗の近くまで来ましたが、ここからどうすれば?」
部長「穴があるから、そこに入れればいい。」
小池「え!穴にボールを…。あっし、座薬は入れたことがありますが、こんなボールは初めてで。」
部長「君とんでもないこと想像してるね。旗の下に穴があるだろ?あそこに入れるんだ。」
小池「あ、あれですか!そうだよなぁ、部長に変な趣味があると思ったよ。ちなみに、勝負はどう決まるんですか?」
部長「ああ、言ってなかったね。なるべく少ない打数で入れたほうが勝利だ。ちなみにホールごとに目安の打数が決まっていて、その回数で入れたらパーになる。」
小池「あっし、やっぱりゴルフやめますわ。」
部長「え、どうして急に。」
小池「だって頭がパーになるんでしょ?これ以上バカになったら、あっしはおしまいですよ。」
部長「いやいや、そういう意味じゃないから。あと、パーよりも少なくなるとバーディー、イーグル、アルバトロスとなる。」
小池「なんすか、その最後のティラノサウルスやらステゴサウルスやら恐竜みてぇな名前は。」
部長「全然違うよ。ア、ル、バ、ト、ロ、ス!ちなみにアルバトロスっていうのは日本語でアホウドリのことだ。」
小池「アホウドリやら頭がパーやら、ゴルフってのはややこしいですね。」
部長「君の頭の中がややこしいんだよ。まぁ、アルバトロスなんて滅多に出るもんじゃないから気にしなくていいよ。」
小池「ところで、あっしは何バトロスになるんです?」
部長「えーと、今25打だから。次に入れれば、名付けるとしたら22ボギーかな。おそらく、このホールの新記録だと思うよ。」
小池「それは名誉だなぁ、ありがとうございます。」
部長「バカっ!皮肉だよ。」


その明くる日、ゴルフをはじめてやった小池は、誰かに教えたくてしょうがない。同じ団地に住んでいる、競馬仲間の中田の家へ。
小池「おい、中やん!いるか?」
中田「何だ、騒がしいな。休日くらいゆっくりさせてくれよ。」
小池「昨日部長にゴルフにつれていってもらったんだ!おめぇにも教えてやるから、外に来い。」
中田「嫌だよ、めんどくせぇ。」
小池「あのなぁ、そんなんだから趣味が競馬しか無いんだよ。」
中田「おめぇに言われたくねぇよ。わかったわかった、行けばいいんだろ。」
小池「そうだ、道具が無いんだった。クラブ、クラブ…そこにあるホウキでいいや。あとは、ボールと…あっ、キッチンにジャガイモがあるな。中やん、それを何個か持ってきてくれ。あっ、そうだ。キャディさんがいるなぁ。どうしようか。あっ、あそこに手頃な婆さんがいる!なぁ婆さん、今からキャディさんになってくれないか?」
トメ「あたしゃトメだよ。」
小池「トメでもコメでも関係ねぇ。今日からキャディさんだ。」
中田「小池、お前なぁ。婆さんに無茶いうなよ。」
小池「よし!じゃあ中やん。まずはこの一番大きいドライバーで打ってみろ。」
中田「一番大きいって、ホウキ一本しかねぇじゃねぇかよ。」
小池「いいんだよ。大きいって思えバカ!そのボールを、あそこの地面にある穴に向かって打てよ。」
中田「あそこだな?うりゃー!あっ、変な方向に行ってしまった。」
小池「ファー!」
中田「うわ!急に大きな声出すなよ。あっ、ばか!お前が大きい声出すから、婆さん気ぃ失ったじゃねぇか!」
小池「やべ!婆さん起きてくれ!(ほっぺを叩く仕草)良かった。目が覚めたみてぇだ。ごめんなトメさん。無理やり付き合わせて。」
トメ「えっ?あたしゃキャディって名前だよ。」
小池「あちゃー、まぁいいか。」
中田「よくねぇだろ!」
小池「名前変わったって誰も気づかないだろ。中やん、次打て!次!」
中田「分かったよ。いくぞぉ、うりゃー!」
小池「お!いい感じだ!入るぞ、入るぞ・・・入ったぁ!」

入るには入りましたが、実はその穴はヘビの巣穴。中にいたヘビが飛んできたジャガイモをパクり!
中田「なぁなぁ、小池!おれのボールどうなった?」
小池「あちゃー。こんなところにヘビが入っていたのか。」
中田「おい、どうなったんだよ?」
小池「ヘビに飲み込まれて、この勝負パーになった。」