ラム好きによる、ラム好きのための料理コラム。
こんばんわ、迷える子羊こともすです。
羊という動物はどうして美味いのか?自分なりに考察してみました、ちょっとだけお付き合いください。
少しの臭みが旨みを引き立てる
マトンの醍醐味は臭みにあるのではないのでしょうか。旨味だけだったら、ただ旨いなぁで終わってしまうのですが、多少の臭みがあることで奥深い旨みに変わります。「美人は三日で飽きる」というように、多少ブサイクな女性の方が愛らしいですもんね。
例えば、香水には少しだけウンコの香りが入っていることをご存知でしょうか?実際のウンコを入れている訳では無くて、ウンコの香り成分スカトールを配合しているだけですのでご安心を。このスカトールは多量だと臭くてたまらないのですが、少量だとフルーティな花の香りがするらしく、香水ではよく用いられています。
ウンコのほのかな香りが、他の香り成分を際立たせているのでしょうか。スカトールは名脇役ですね。温水洋一は俳優界のスカトールなのかもしれません。
臭みとりが肝心
ただ、臭みが限度を超えると不快感にしかならないので、臭み消しを施してあげることが大事になってきます。
後楽園にあるMENSHO TOKYOさんではラム豚骨つけ麺という革新的なラーメンを作っていました。ラムの骨からとんこつスープ(らむこつ?)をつくり、臭みを消すために数種類のスパイスを用いているようです。おそらくですが、インドのマトンカレーの技術を応用しているのだと思われます。おいしゅうございました。
Shop | 自家製麺 MENSHO TOKYO | らーめん・つけめん・油そば
マトンカレーではオールスパイスやクローブそしてナツメグ等のスパイスにより臭みとりをしていて、インドのスパイス技術の粋が詰まっています。臭み消しにはその国の文化というものが見えてきます。
トルコでは癖のあるジビエを調理する時は、ヨーグルトに漬け込みます。ヨーグルトが匂いのもとを吸着してくれるからです。牛乳などでも代用が効くので、レバーやホルモンを、牛乳に漬け込んでおくと嫌なにおいがしなくなるので、お試しあれ。
日本では味噌で臭みを吸着させたり、生姜などで臭みをごまかしたりします。サバの味噌煮や生姜煮があるのは、青魚臭いサバを美味しく食べるための日本人の知恵なのでしょう。
その国にある調味料を上手く活用して、食品を活かしているのを見ると、料理に対する熱い想いや人間の絶え間ぬ努力みたいなものを感じます。
SPICEBOYS "SPICE RAP ~踊れマハラジャ~" - YouTube
人間臭さはいい香り
羊の臭みのように、人間にも多少の人間臭さがあった方がいいのかもしれませんね。太宰治が芥川賞の選考委員に対して「第二回の芥川賞は、私に下さいまするやう、伏して懇願申しあげます」と手紙を送ったエピソードを見ると、太宰治の人間臭さに親近感やら愛らしさやらを感じてしまいます。
気取っていたって人間は人間。オシャレな服で着飾っても、人間臭さを全て隠すことなんてできません。スカトールのような人間臭さを漂わせる、そんなウンコ臭い人間になりましょう。