Digit!

日常で起こる様々な現象に、ツッコんだりボケたりするブログ。

迷走レストランテ

門前仲町で、遅めのランチ。ぶらぶらと歩いていたら、変なお店を見つけた。

看板は「トラットリア◯◯」と本格的なイタリアンっぽいのだが、入り口にはデーン!と大きく「居酒屋」の暖簾。そして窓の隙間から覗くと、どこにでもありそうな喫茶店。あ、これ。ごった煮みたいに何でも詰め込んで、迷走しているパティーンだ。カオスっぷりが面白かったので入店してみた。

入ってみると、そこはお通夜状態。照明は薄暗くて、客は誰一人としていない。おばちゃんの店長は暇そうに椅子に座っていた。これが平日の昼間ならまだ分かるが、休日のランチタイムだからなぁ。心配になるほど閑散としてるが、店構えはなかなか古く昔からあるみたいだ。どうして今までやってこれたのだろうか?御曹司か何かか?

おばちゃんがニコニコしながらやって来たので、「おすすめは?」と聞くと「焼うどん」と即答。焼うどんって…。イタリアンの誇りは無いんかい。おばちゃん曰く、コーヒーのセットが安いらしい。焼うどんとコーヒーが合うとは至極思えないが、とりあえずその通りにしてみた。

しばらくして出て来たのは、おふくろ感の凄い焼うどん。具材はニンジン、玉ねぎ、レタス、豚肉。背骨が抜けたようにコシのないうどん。味付けは塩味。ていうか、塩コショウかけただけ。おばちゃんが味足らなかったら塩コショウかけてねと一言残して、卓上食塩を目の前に置いて来た。食べてたら「お兄ちゃん辛いのすき?」って、CMでよく見る「香味なんちゃら」を勧めてきた。もう、料理人のプライドは無いみたいね。


イタリアン+割烹、中華+フレンチみたいに、2つのジャンルを組み合わせたお店は、美味しい料理が出てくる。それぞれのジャンルのいい部分を抽出して、新たなジャンルに昇華しているからだろう。しかし。3つのジャンルを組合わせた(詰め込んだ)お店は、方向性も定まってないからやっぱりダメだね。

合うはずもない食後のコーヒーを飲みながら、そんなことを考えていた門前町のランチタイムでした。

買い物じぃじー

うーん、子供というのは面白い生き物だ。

今日は上野の森美術館で『怖い絵展』がやっているので行ってみたが、何と70分待ちの大行列。そこまで見たくもなかったので、そそくさと退散。その帰りに夕飯の準備のために、スーパーで買い物。飲料水売り場で物色していたら、手に持っていた買い物カゴが急にズシッと重くなった。

何事?と、思って見ると。カゴの中には、入れたはずのない野菜ジュース。そして、僕の真横でジッとこちらをながめている3〜4才くらいの女の子。一瞬何が起こったのか分からなくてキョトンとしてると、その子の母親が「ごめんなさい!」と駆け寄って来た。

なるほど。女の子が間違えて僕のカゴに商品を入れたらしい。「大丈夫ですよ〜」と笑いながら対応し、子供は微笑ましいなぁと思っていると、僕の背後でその母親が一言。「じぃじのカゴはあっちでしょ」。

そんな。ジジイと間違えられていたなんて。泣きたくなるわ。

短編『行列人間』

休日になると、都内をぶらぶらと歩いてしまう自分がいる。これといった用事も目的地も無いのだが、地元の人しか知らないような神社仏閣などに出会うと楽しくなる。偶然の出会いというのだろうか。この歳になってくると、想定外で無いと楽しめない自分がいるのだ。

道路沿いの並木道を歩いていると、ふと目に入ったのが長蛇の列。太陽光が降りそそぐ昼間っから、よくもまぁ我慢できるもんだ。行列嫌いの僕からすると考えられない。……それにしても長い。いや、長すぎる。背伸びして遠くを眺めても、行列の先頭が見えない。一体これは何の行列なのだろうか?


行列に並んでいた夫婦に話しかけてみる。
「つかぬ事をお聞きしますが、この行列は何の行列なのですか?」
「はぁ、私たちも詳しくは知らないのですが。周りの話を聞く限り、この先にミシュラン1つ星を獲得したイタリアンがあって、ランチタイムは格安で提供しているみたいなんですよ。」
「はぁ、そうですか。ありがとうございます」

変な人たちだ。何の行列なのかよく分からないで並んでいるなんて。それにしても、昨今は行列のできるお店が多すぎる。メディアで露出すると、自称グルメの人たちが駆けつける。彼らにとって大事なのは、味が美味いうんぬんじゃ無いのだ。「テレビに出てた店に行った」「行列が凄かった」などの、話のネタを探しに行っているだけなんだ。


ふと行列に目を向けると、20代くらいの若い男性が並んでいた。身なりが少し小汚く、グルメを気取っている感じでは無い。彼だったら何か知っているかもしれない。
「ちょっといいかな?」
「あ、はい。何でしょうか。」
「この行列は何を待っているのですか?」
「それがですね、傍聴席の抽選があるみたいなんです。」
「傍聴席?」
「この先に、地方裁判所があるのはご存知ですよね?そこで初公判が行われるらしく、みんな並んで抽選券を待っているんです。傍聴席は20席なので、かなりの倍率になりそうなんですよ。」
「ちなみに、その事件って何なのですか?」
「いや、それが。僕もそこまでは知らないのです。芸能人が覚醒剤を所持してたとか、そこらへんじゃないですか?」
「そ、そうですか。」


さっきと全く話が違うじゃないか。どちらが正しいのだろうか?確かに傍聴席抽選で並ぶ話は聞いたことあるけど、流石にニュースになってるだろう。

歩きながら行列の人々を見ていると、1人の男性が簡易チェアに座って待っていた。彼なら知ってそうだ。わざわざチェアを持っているってことは、行列に並ぶためにここに来たに違いない。40そこそこの彼のもとに近づくと、ギラリと目を細めて睨まれる。
「ちょっとあなた、割り込みは禁止ですよ。」
「いやいや、すみません。割り込みではないんです。ちょっとお聞きしたいことがあるのですが、これは何の行列なのでしょうか?」
「あなたねぇ、そんなこと聞くなんて野暮ですよ?」
「へ?」
「山登りの名言にもあるでしょ?『そこに山があるから』って。私もそこに行列があるから並んでいるだけなんです。」
「あなたは何者なんです?」
「私ですか?生粋の行列マニアでして、全国津々浦々の行列を巡る旅をしているものです。」
「行列マニアですか。」
「行列の長さ・回転率の速さ・行列の並び心地などをレビューして、ブログにアップしています。行列業界では大人気なんですよ。」
「そ、それは凄いですね。で、では忙しいので失礼します。」


あ、危なかった。ああいったタイプは話し出すと止まらなくなるんだ。何なんだよ、行列マニアって。そんなニッチすぎる趣味聞いたことがない。まさか、ここに並んでいる人たち全員で、自分を馬鹿にしているのではないのだろうか?ふと、そんな疑惑が湧き上がった。もう我慢ならない。行列の先頭まで行って、真実を暴いてやる。僕は行列に沿って歩き始めた。


……

あれから何年歩いただろうか。

いくら進んでも、行列の先頭は見えてこない。東京を出発して、名古屋、関西、福岡へと進み。フェリーに乗って韓国へ渡る。小舟に乗って北朝鮮へと密入国し、今は中国西部の敦煌までやってきた。人々は砂漠の気候変動に耐えながら、砂混じりの風に吹かれている。それでもまだ行列の終わりはやってこない。

地面に崩れるようにして座り、ふと昔のことを思い出す。あれは僕が行列を見つけた頃だっただろうか。行列マニアという男がいて、行列に並ぶのは『そこに山があるから』と同じだと言っていた。けど、今思うとその発言は間違っていると思う。山は頂上が見えているから、登り甲斐があるのだ。この行列には終わりが見えてこない。並び甲斐が一切ないのだ。

この行列を例えるならば……。幸せ。そう、幸せを求めるようなものなのかもしれない。人間は幸せになりたくて努力する。仕事を頑張って、貯金をためて、家族を養い、安定した生活を目指す。その先には幸せがあるのだと信じて。しかし、幸せな暮らしになったと思っても、どこかで不満を感じてしまう。そうしてまた幸せを探し始める。「幸せの青い鳥」のように、どこまでも追い求める。

原作では、チルチルとミチルは青い鳥を見つけられず、旅を終え家に戻る。目覚めると部屋で飼っていたキジバトが青い鳥になっていた。おそらく「本当の幸せは身近なところにある」ってことを伝えたいのだろうが、現実はそう甘くない。人間とは追求する生き物。幸せをもとめる欲求は尽きることがない。


僕は、もう力が尽きた。立ち上がる気力すらない。行列に並ぶ人々の横で、ひれ伏すように倒れこむ。あぁ、戻れるなら行列を見つける前に戻りたい。行列の人々は、死んだように倒れている僕を冷たい目で眺めている。どうかいっそのこと、笑ってくれ。同情されるほど辛いことはない。

僕がこのまま死んだとしても、行列は止まることなく進むのだろう。並んでいる彼らは、穢れを知らない子供のような目で、ただひたすら遠くにある終わりを眺めていた。

『スーパーヒーロー柳田和男』

コント向けの内容です。ワンダーウーマン見てから、ヒーローもののストーリー書いてみたくなりました。全然感動できないヒーローストーリーなので悪しからず。



『スーパーヒーロー柳田和男』

柳田「あぁ〜、今日も暇だなぁ。何かこう…どこかで大きな事件でも起きないかなぁ?」
秘書「何、物騒なこと言ってるんですか。そもそも世の中を平和にしたのは自分のせいでしょ?」
柳田「スーパーヒーローになって1年足らずだけど…まさか、こんなにすぐに世界を救えるなんてなぁ…。敵が弱すぎるんだよ!最後の悪者倒してから、2ヶ月くらいヒーローの仕事が全然入らないじゃないか。これじゃあ、飢え死にしてしまうよ。」

(一本の電話が入る)
秘書「あっ、噂をすれば仕事の依頼が来たみたいです。はい、もしもし。こちらスーパーヒーロー柳田和男事務所です。仕事の依頼ですね…はい…はい…。(電話の話口に手を当てて)柳田さん、3丁目の銀行に強盗が入ったみたいですけど、どうしますか?」
柳田「あー、銀行強盗か…。相手が人間だとちょっと殴っただけで、複雑骨折させてしまうんだよ。俺じゃ危険すぎるから、警察に頼んでくれる?」
秘書「はぁ…。あの、もしもし。柳田はただいま別件が入っていまして、警察を呼んでもらってもよろしいでしょうか? 大変申しわけありません…。(ガチャ)あの柳田さん、私が言うのもなんですが、仕事を選んでいる状況ではないと思うのですが。力を抜いたりはできないのですか?」
柳田「いや、力は抜いてるつもりなんだけどさぁ?相手が弱すぎるからすぐに倒しちゃうんだよ。この前だって、カニの怪人がいたんだけど。軽〜くパンチしただけだよ?そしたら、殻がバリバリって砕けて、中からカニミソ的なやつがドロッと出てきたんだよ。あれには周りの一般人も引いてたなぁ〜。」
秘書「ヒーローってもっとカッコよく倒すものでしょ。反省してるんです?」

柳田「反省はしてるよ。戦い終わったらいつも反省してるんだけど、敵を目の前にするとつい張り切っちゃって…。そういえば、このまえ戦ったダークエンガワーとかそんな名前の敵はなかなか骨があったよな。はじめて切り傷をつけられたよ!あれには焦ったなぁ。」
秘書「あぁ、ダークエンペラーさんですね。だけど、向こうからしたら切り傷しかつけられなかったから、かなりショックだったみたいですよ?噂によると、あまりのショックに実家で引きこもっているとか…。」
柳田「あれくらいで引きこもるなんて、悪党の風上にも置けないな。そうだ!家から連れ出して、もう一度戦ってもらおう!俺も最近体がなまってたし。」


柳田「お、表札に『ダーク』って書いてあるから、ここかな。ピンポーン」
ダークママ「はいー、ダークですー。」
柳田「あっ、ダークエンペラーさんのお母様ですか?」
ダークママ「はい。そうですけども〜。もしかしてエンちゃんのお友達?」
柳田「悪の帝王なのに普段エンちゃんって呼ばれてるのかよ。は、はぁ。お友達というかライバルというか…まぁそんなところですね。エンペラーさんは大丈夫でしょうか?」
ダークママ「あの子、2ヶ月前からずっと部屋に閉じこもっているの。何かショックなことがあったみたいで、ずっと塞ぎ込んでいるのよ?もしかしたら、お友達の話だったら聞いてくれるかもしれないから、説得してもらってもいいかしら?」

柳田「はぁ、とりあえず頑張ってみます。こちらも死活問題ですので。おーい!ダークエンペラー聞こえるか?」(ドア開ける仕草)
エン「だ、だれだ!?」
柳田「俺だ。スーパーヒーロー柳田和男だ。」
エン「な!なんでこんな所まで来ているんだ?ここは我輩のアジトだぞ!」
柳田「アジトって実家じゃねぇか。」

エン「うるさい!ところで柳田、何でここにいるんだ?」
柳田「あれ、何で来たんだろ…?あっ、そうだ。部屋に閉じこもってないで、外に出てこい。」
エン「何でお前の指図を受けなきゃいけないんだ?そもそもお前からしたら、俺が出ない方がいいのではないのか?悪が世にはびこるぞ。」
柳田「ありゃ、確かにそうだ。あっ、そうそう。外に出て一緒に戦おう!」
エン「サザエさんの中島くんみたいなテンションで来るな。嫌に決まっているだろ、お前のせいで俺のプライドがどれだけ傷ついているのか分かっているのか?」
柳田「その節については謝るって!ごめん!俺もやりすぎちゃったなぁって思ってるんだ。次は力抑えて戦うから!ねっ?」
エン「お前には人を思いやる気持ちというものが無いのか?お前にとって俺なんて屁みたいなものなんだろ?」
柳田「馬鹿野郎!(ビンタする振り)あっ、ごめん力入った。」
エン「ひ、瀕死だぞ…」
柳田「馬鹿野郎。(かるーくビンタ)お前が屁なんて思ってない!お前ははじめて俺に切り傷をつけた男だ。俺はお前に期待しているんだぞ!」
エン「え…。」
柳田「さぁ、俺の良きライバルとして一緒に戦ってくれないか?」
エン「お、おれで良いのか?」
柳田「あぁ、むしろお前じゃなきゃダメなんだ。」
エン「柳田…」


柳田「あっ、ちなみに戦うにあたっては、ダークエンペラーにはちょっと相談があるんだよね。」
エン「急にテンションが変わったな。え、相談?何だ?」
柳田「おい、秘書!仕事だ。出てこい。」
秘書「はじめまして、柳田の秘書でございます。流石にエンペラーさまに無償で戦ってもらうのは、こちらとしても心苦しいものがありますので、ここはひとつ『契約』を結びませんか?」
エン「契約?」
秘書「はい。もしエンペラーさまとウチの柳田が戦うと、ヒーロー協会から報酬が支給されます。その報酬の25%をエンペラーさまにお支払いいたします。こっちサイドとしては戦いの場が得られて、エンペラーさまとしても一定の報酬を得られる。つまりwin-winの関係でございます。」
エン「ま、待て。たしかにどちらとも得をする良い話なんだが、それってヤラセじゃないのか?」
秘書「何をおっしゃっているのです、ダークエンペラーさま!ヒーローものでは、この手のヤラセは常識なのですよ?」
エン「え、そうなのか?」
秘書「よく考えてみてください。ほとんどの悪党は倒されたあとに復活しているでしょう?普通だったら悪は根絶やしにすればいいのに…。それをしないということは、ヒーローも殺さないように手加減しているのです。」
エン「そ、そうだったのか…なんかショックだなぁ。」

柳田「俺も最初聞いたときはびっくりしたよ。けど、ヒーローとして生きるにはこれしか道は無かったってことさ。さぁ、エンペラー。俺とタッグを組んで、上手くやっていこうじゃないか。」
エン「俺にできるかなぁ。」
柳田「何言ってるんだよ!お前は俺が認めた悪党だ。立派にやっていけるさ!さぁ、一緒に外に出よう。」


ダークママ「あ、エンちゃん…。出て来てくれたのね…。」
エン「ママ…心配かけてごめんね。ボクこれから、お父さんみたいに立派な悪党になるよ。」
ダークママ「まぁ!エンちゃん、見ないうちに大人になったのね…。お友達のかた、本当にありがとうございます。お名前を聞かせていただいてもよろしいですか?」
柳田「苦しんでいる子がいれば颯爽と駆けつける!我こそがスーパーヒーロー柳田和男だ!」
ダークママ「え!?ヒーロー?エンちゃん、この人敵よ!さぁ、やっておしまい!」
柳田「ちょっと待ってくださいお母様。まだ報酬が払えませんので、続きは次回の放送でお願いします。」

新作落語『ゴルフ指南』

枕は書いて無いですが、ゴルフの話を作ってみました。今までよりもボケの数を増やしまくっています。


『ゴルフ指南』

部長「小池くん、明日ゴルフなんてどうかい?」
小池「大木部長、誘ってくれるのは嬉しいのですが、あっし生まれてこのかたゴルフというものをやったことないんですよ。野球か競馬くれぇしか興味がなくて…」
部長「色んな趣味をもつのもいいだろう。どうだ、僕がゴルフを教えてあげるから、始めてみないかい。」
小池「えぇ!それは願ったり叶ったりです。よろしくお願いします。」
部長「まずは打ちっ放しがいいかねぇ。」
小池「その何とかっぱなしってやつ、あっし得意ですよ。」
部長「お、小池くんやったことあるのかい。」
小池「へぇ、洗面台の水は出しっぱなし、服は脱いだら脱ぎっぱなし、風邪ひいたときなんて鼻水垂れ流しっぱなしです。」
部長「汚いねぇ。打ちっ放しもいいけど、コースを回ってみようか。君ならこまごまと練習するよりかは、実際に言ってみてコツを掴んだほうがいいだろう。」
小池「あっし道具とか持ってないんですが、大丈夫ですか?テントとか、海パンとか、バーベキューセットとか用意しなくていいでしょうか?」
部長「何だい、キャンプにでも行くつもりかい。いやいや、道具の用意は僕がしておくよ。小池くんは身一つでやってくればいいから。」
小池「よっ!部長太っ腹、土手っ腹、ビールっ腹!」
部長「それ全然褒めてないから。じゃあ、明日ゴルフ場にやって来てくれ。」


翌日、千葉県の外れにあるゴルフ場にやってきた二人。
部長「おっ、小池くん。こっち、こっち!」
小池「部長おはようございます。ゴルフってこんな朝早くからやるんですね。」
部長「そうだね。朝9時くらいから始めて、終わるのは午後4時とかそれくらいかな。」
小池「えぇ!そんなにやるんですか?それは困ったなぁ。」
部長「困ったって何か用事があるのかい?」
小池「へぇ、今日は東京競馬場で大事なレースがあるんです。」
部長「何だい競馬かい。今日くらいは競馬のことは忘れなさい。」
小池「そんなぁ目をつけていた馬がいたのに!じゃあ部長。その馬が勝ったら立て替えてくださいね。」
部長「おいおい、何で私が払わなきゃいけないんだよ。まぁ、早速はじめようじゃないか。手続きは済ませておいたから。こちらが今日ついてくれるキャディーさんね。」
小池「部長もスミに置けないなぁ。これですか?(小指を立てる仕草)奥さんが来ないからって、愛人を連れてくることないでしょ。」
部長「バカだね。愛人な訳あるかい。この人はキャディさんといって、われわれに付いてサポートしてくれる人なんだよ。」
小池「ま、ま、マイネームイズ小池。ハーワーユー?」
部長「何で英語なんだい」
小池「だってキャディさんって名前なんでしょ?」
部長「違うよ!ただの職業の名前だよ。顔だってどうみても日本人じゃないか。」
小池「ああ、ほんとだ。ふつつかものですがよろしくお願いします。」
部長「そんな挨拶があるかい。それじゃあ、そろそろ始めようか。」

小池「では、あっしが用意しますね。」
部長「用意?ちょっと、小池くん。正気かい?レジャーシートを広げるんじゃないよ!」
小池「逆に聞きますけど、こんなに緑が豊かで、空気もうまい。絶好の宴会日和とは思いませんか?部長の好きな日本酒も用意してありますよ。」
部長「小池くん、恥ずかしいから本気でやめてくれ。キャディさんが苦笑しているじゃないか。早く片付けて!」
小池「えぇ、もったいないなぁ。じゃあ何するんです?」
部長「ゴルフだよ!いいかい、遠くに旗が見えるだろ。あそこに向かってボールを打つんだ。まずは、ドライバーからかな。」
小池「日曜大工でも始めるんですか?」
部長「別にネジ締めるんじゃないよ。ドライバーというのはボールを打つ竿の一つで、ウッドの中で一番大きいもののことをいうんだ。」
小池「ははぁ、なるほど。それがことわざの語源だったんですね。」
部長「どういうことだい。」
小池「だから「ウドの大木」でしょ?」
部長「ウドじゃなくてウッド!じゃあ、そのクラブを持って、構えてみようか。」

小池「(クラブを持って野球のバッターの構え)準備OKです!さぁ、部長。ボールを投げてください!」
部長「いかん、頭が痛くなってきた。思っていたよりもひどいぞ。小池くん!それは野球の構え!クラブの先端に、膨らんでいるところがあるだろ?そこに置いているボールを当てて打つんだ。」
小池「あぁー!このタヌキの金玉袋みたいなところっすね。」
部長「タヌキの金玉袋って…。まぁいい。その金玉袋に当ててくれ。」
小池「あっ、やっぱやめときましょ。想像しただけで痛くなってきた。この部分に当てればいいんですね。うりゃー!お、結構飛びましたね。」
部長「ああ、飛んだな。…クラブがね。野球じゃないんだから、打ったあとに放り投げるんじゃないよ。はい、拾ってきてもう一回。」

小池「へへ、すみませんね。よっとせの、うりゃー!ありゃー、変な方向に行っちまった。」
キャディ「ファー!」
小池「うわっ!キャディさんが叫びはじめたよ。こりゃ俺も負けてられねぇや。ソー!」
部長「何やってんだい。」
小池「ファの次はソでしょ?」
部長「音楽のテストやってるんじゃないんだから。あれはね、ボールが危険な方向に飛んだから「危ないですよー」の意味をこめて叫んでいるんだ。」
小池「それだったら、うちの団地の中はファーファー言いっぱなしですよ。」
部長「どういうことだい?」
小池「どこの家も、家計が常に危ないんですよ。」
部長「変なこと言ってるね。さて、ボールがどこに落ちたか見に行こうか。ありゃ、ラフに入ってしまったね。」
小池「えっ。どこに裸の女がいるんですか?どこどこ?」
部長「そんなわけあるまい。キャディさん、ここからあと何ヤードくらい?350ヤード?ふむ。じゃあ8番アイアンがいいかね。」
小池「では、あっしは3番ショートで。」
部長「野球のことは忘れなさい。」

それから何だかんだで、ピンのそばまでやってきた。
小池「部長!旗の近くまで来ましたが、ここからどうすれば?」
部長「穴があるから、そこに入れればいい。」
小池「え!穴にボールを…。あっし、座薬は入れたことがありますが、こんなボールは初めてで。」
部長「君とんでもないこと想像してるね。旗の下に穴があるだろ?あそこに入れるんだ。」
小池「あ、あれですか!そうだよなぁ、部長に変な趣味があると思ったよ。ちなみに、勝負はどう決まるんですか?」
部長「ああ、言ってなかったね。なるべく少ない打数で入れたほうが勝利だ。ちなみにホールごとに目安の打数が決まっていて、その回数で入れたらパーになる。」
小池「あっし、やっぱりゴルフやめますわ。」
部長「え、どうして急に。」
小池「だって頭がパーになるんでしょ?これ以上バカになったら、あっしはおしまいですよ。」
部長「いやいや、そういう意味じゃないから。あと、パーよりも少なくなるとバーディー、イーグル、アルバトロスとなる。」
小池「なんすか、その最後のティラノサウルスやらステゴサウルスやら恐竜みてぇな名前は。」
部長「全然違うよ。ア、ル、バ、ト、ロ、ス!ちなみにアルバトロスっていうのは日本語でアホウドリのことだ。」
小池「アホウドリやら頭がパーやら、ゴルフってのはややこしいですね。」
部長「君の頭の中がややこしいんだよ。まぁ、アルバトロスなんて滅多に出るもんじゃないから気にしなくていいよ。」
小池「ところで、あっしは何バトロスになるんです?」
部長「えーと、今25打だから。次に入れれば、名付けるとしたら22ボギーかな。おそらく、このホールの新記録だと思うよ。」
小池「それは名誉だなぁ、ありがとうございます。」
部長「バカっ!皮肉だよ。」


その明くる日、ゴルフをはじめてやった小池は、誰かに教えたくてしょうがない。同じ団地に住んでいる、競馬仲間の中田の家へ。
小池「おい、中やん!いるか?」
中田「何だ、騒がしいな。休日くらいゆっくりさせてくれよ。」
小池「昨日部長にゴルフにつれていってもらったんだ!おめぇにも教えてやるから、外に来い。」
中田「嫌だよ、めんどくせぇ。」
小池「あのなぁ、そんなんだから趣味が競馬しか無いんだよ。」
中田「おめぇに言われたくねぇよ。わかったわかった、行けばいいんだろ。」
小池「そうだ、道具が無いんだった。クラブ、クラブ…そこにあるホウキでいいや。あとは、ボールと…あっ、キッチンにジャガイモがあるな。中やん、それを何個か持ってきてくれ。あっ、そうだ。キャディさんがいるなぁ。どうしようか。あっ、あそこに手頃な婆さんがいる!なぁ婆さん、今からキャディさんになってくれないか?」
トメ「あたしゃトメだよ。」
小池「トメでもコメでも関係ねぇ。今日からキャディさんだ。」
中田「小池、お前なぁ。婆さんに無茶いうなよ。」
小池「よし!じゃあ中やん。まずはこの一番大きいドライバーで打ってみろ。」
中田「一番大きいって、ホウキ一本しかねぇじゃねぇかよ。」
小池「いいんだよ。大きいって思えバカ!そのボールを、あそこの地面にある穴に向かって打てよ。」
中田「あそこだな?うりゃー!あっ、変な方向に行ってしまった。」
小池「ファー!」
中田「うわ!急に大きな声出すなよ。あっ、ばか!お前が大きい声出すから、婆さん気ぃ失ったじゃねぇか!」
小池「やべ!婆さん起きてくれ!(ほっぺを叩く仕草)良かった。目が覚めたみてぇだ。ごめんなトメさん。無理やり付き合わせて。」
トメ「えっ?あたしゃキャディって名前だよ。」
小池「あちゃー、まぁいいか。」
中田「よくねぇだろ!」
小池「名前変わったって誰も気づかないだろ。中やん、次打て!次!」
中田「分かったよ。いくぞぉ、うりゃー!」
小池「お!いい感じだ!入るぞ、入るぞ・・・入ったぁ!」

入るには入りましたが、実はその穴はヘビの巣穴。中にいたヘビが飛んできたジャガイモをパクり!
中田「なぁなぁ、小池!おれのボールどうなった?」
小池「あちゃー。こんなところにヘビが入っていたのか。」
中田「おい、どうなったんだよ?」
小池「ヘビに飲み込まれて、この勝負パーになった。」

立川談志のイリュージョンと、非常識なニュースが多すぎる話。

立川談志はよく「イリュージョン」という言葉を使っていた。

イリュージョンは、談志の笑いの本質である。別の言葉で言い換えるとしたら「非常識のその先」といった感じか。

漫才などのオーソドックスなお笑いでは、ボケとツッコミの対立で成り立っている。ボケが非常識な発言をして、ツッコミがそれを常識のレールへと戻してあげる。その非常識な発言が、視聴者側の予想を裏切れば裏切るほど面白くなる。

例えば、ラバーガールは非常識さのバランスがすごく上手い。

美容室のコントで、「女子ウケの良い髪型にしたいから、西野カナみたいにしてください。」のように、大水さんのクレイジーで狂気的なキャラクターが笑いを誘う。

ボケで非常識な空間を作って、ツッコミで常識へと軌道修正する。

もっとも単純なお笑いの構図はこんな感じなのだと思う。だから、視聴者は常識を知っている必要がある。常識を分かっているからこそ、そこから外れる非常識が分かるのだ。

しかし、最近のニュースを見ていると非常識のレベルが行きすぎた人が多すぎる。退職金を渡さないからと夫を殺す妻や、金属バットで家族を殴り殺す息子。世の中は非常識があふれている。昔からもそういった人はいたかもしれないが、家族や近所の人がうまく軌道修正していた。現代は、人と人との関係性が希薄になっているので、非常識な人が非常識のまま成長してしまう世の中になっている。

このまま非常識な人が増えると、先ほどのお笑いが通じなくなる。

常識が分からないとボケも生きてこないのだ。そこで立川談志が考えたのがイリュージョンなのだと思う。常識でも非常識でもない不思議な世界。これがイリュージョン。

「おたくですか、金魚のパンティー売っている家は?」
「ええ、鉄火丼もあります」

「信号が赤だぞ」
「女房に言うなよな」

すぐには分からないけど、頭の中でイメージすると笑いがこみあげてくる。これがイリュージョンの笑いなのかもしれない。立川談志が亡くなってから約6年。落語や漫才は常識と非常識をベースにしているものがほとんどで、まだイリュージョンのお笑いはそこまで浸透していない(コントやピンネタはそれっぽいものがある?)が、非常識な人が増えるとお笑いの流れも変わっていくのかもしれないなぁ。

立川談志の考えを深く知りたいひとは、こちらの本がおすすめ。特にp107の「「非常識」の居場所もない」にイリュージョンについてしっかり述べられています。

新作落語『白黒テンテン物語』

上野動物園のパンダを見ていて、新作落語のアイデアが生まれてきました。とある動物園のバカバカしいお話になっています。

『白黒テンテン物語』

柏動物園では、数十年ぶりにパンダの出産に成功した。動物園の近くの商店街は大フィーバー。パンダパン、パンダコロッケ、パンダ仏壇などなど、「パンダ」を頭に付ければ、どんな商品でもバカ売れの状態に。生後3ヶ月後にパンダの赤ちゃんをお披露目するということで、人々はみんな待ちわびていた。


木村「園長!大変です!」
園長「どうした木村くん?顔色変えて。」
木村「パンダのテンテンのことなんですが、今朝様子を見に行ったら、体が白くなってるんです!」
園長「ははは。冗談言っちゃいけないよ、パンダが白くなるなんて聞いたことがあるかい。パンダが白いと、尾も白いとかつまらないジョークはやめてくれよ。どれ…」
(赤ちゃんパンダを見つけて、思わず仰け反る園長。目を擦りながら)
園長「ない。ない。黒い斑点が一つも無いじゃないか…。木村くん!君、剥がした?」
木村「剥がしたって、シールじゃないんですから…。僕も長年パンダの飼育やってましたが、こんなことは初めてです。」
園長「木村くん、一つ聞きたいのだが…この場合は『シロパンダ』になるのかい『シロクマ』になるのかい?」
木村「何バカなこと言ってるんですか!パンダはパンダですよ!」

園長「でもなぁ、木村くん。テンテンのお披露目会は来週に迫ってるんだよ。これでは示しがつかないじゃないか。そうだ!黒い斑点を自分たちで描いてあげよう。」
木村「園長、それ本気で言ってます?そもそも、どうやって描くおつもりで?」
園長「マジックは匂いがキツイからなぁ。他に何かいいものはないかなぁ。」
木村「あっ、園長がいつも使っている、頭にかける黒い粉はいかがでしょう。あれだったらパンダにも無害でしょう。」
園長「く、黒い粉って何のことだい?私はよく知らないぞ。」
木村「園長!今は一大事なんですよ、しらばくれないでください!パンダと自分のプライド、どちらが大事なんですか?」
園長「分かったよ…正直に言うよ。昨年あたりから頭頂部が気になりだしてね、この黒い粉を使っていたんだ。誰にもバレてないと思ったら、やはり付き合いの長い君にはバレていたみたいだね。」
木村「いえ、僕だけじゃなくて動物園のスタッフみんな知ってますよ?飼育員同士で飲み会するときは必ずこの話題になりますもん。ちなみに園長がみんなから何て呼ばれているか教えてあげましょうか?園長のあだ名『スーパーミリオン園長』ですよ。」
園長「もういい!もういい!やめてくれ!君、よく本人の前でズバズバ言えるね。まぁいいや。じゃあ、これ黒い粉だから。(木村に渡す仕草)君頼んだよ。」

木村「(受け取る)えっ、僕がやるんですか?テンテンが可哀想で、僕はちょっと…。えぇ〜、君しかできない?困ったなぁ。いつもこういった役目は僕じゃないですか。わかりましたよ…」
(パンダに粉を振りかける仕草をしながら)
木村「テンテン…ごめんな。ちょっと我慢してくれよ。目の周りが難しいな…あぁ、目に粉が入ってしまった!テンテン暴れないで!あぁ、泣くなよテンテン。そうだよな目が痛いよな。お前が泣くと俺も…うっ、うっ。人情噺に持っていきたいけど、話がバカバカすぎて持っていけねぇよぉ。園長、できましたがどうでしょうか?」
園長「木村くん見事だ!君、才能あるよ。昔やってた?」
木村「やってるわけないでしょ。あぁ、こんなのでダマシ通せるのだろうか。」


それから数日して、テンテンのお披露目会がやってきた。檻の前には、ずらーと並んでいる報道陣の列。お昼の報道番組でも生中継をすることに。

司会「そろそろテンテンのお披露目会が始まるみたいですね。柏動物園から三池アナと中継がつながっています。三池さーん!」
三池「はーい。こちら三池です。私はいま柏動物園に来ています。まもなくパンダのテンテンが屋外に出てくるそうですが…あっ、テンテンです!テンテンが出て来ました!ヨチヨチと歩いていて、とっても可愛いです。思ったよりも模様がはっきりとしているんですねぇ。」
司会「ほぉ、パンダの赤ちゃんってもっと模様がぼんやりしているものと思ってました、意外ですね。今日はコメンテーターで、動物評論家の高橋さんに来ていただいております。高橋さん、模様がはっきりとしているそうですが、これはどういうことですか?」
高橋「えー、パンダの斑点がハッキリとしているのは元気な証拠です。イワシとかヤマメなど斑点がある魚は、斑点がハッキリしているものが新鮮とされていますよね。あれと同じなんですよ。」

司会「そ、そうなんですね。三池アナ他に何かありましたか?」
三池「はい。あ、テンテンが走っています!初めてのお外が嬉しいのか、全力疾走で走っています。ん?汗をかきはじめると、模様がにじんで来ました!」
司会「え、模様がにじんでいる?高橋さん、これは一体どういうことでしょうか?」
高橋「えー、パンダの模様がにじんでいるのは元気のない証拠です。スーパーで売っている魚は白目と黒目がハッキリと分かれているのが新鮮とされていますよね。つまりテンテンも鮮度が落ちてきているんですよ。」

司会「おい、プロデューサー。この評論家大丈夫なのか?え?このまま進めろ?分かったよ。三池アナ何か変化はありましたか〜?」
三池「大変です!厚い雲が動物園を覆ったかと思うと、急に夕立が降ってきました!ものすごいドシャ降りです!」
司会「三池さん!テンテンは無事ですか?」
三池「な、何ということでしょう…。テンテンが黒い涙を流しています!彼氏に振られて号泣しているギャルみたいになっています!いや、目だけでなく全身から黒い水がしたたり…そ、そんな…テンテンが真っ白になってしまいました!」
司会「三池さん、真っ白って本当ですか?パンダが真っ白に…高橋さん、こんなことはあり得るのでしょうか?」
高橋「うーん、私も長年、動物評論家をやってきましたが、こんなケースは初めてです。ちなみにですが、この場合は『シロパンダ』になるのでしょうか『シロクマ』になるのでしょうか。」

司会「おい、スタッフ。こいつをつまみ出せ!何はともあれ、これは大ニュースだぞ!真っ白なパンダが誕生…これは視聴率もうなぎ登りだ!」


世にも珍しいシロパンダが誕生したという噂は世界にも広がり、テンテンは世界規模で大ブームに。柏動物園は毎日大盛況で、テンテンの檻の前には常に人だかりができていました。

木村「いやー園長よかったですね。一時期どうなることかと思いましたが、結果良ければ全て良しですよ。」
園長「本当にそうだな、木村くん。テンテンが雨に濡れて真っ白になったときは、『もうこの動物園も終わったな』と私も顔面蒼白になってたよ。いやはや何がブームになるか分からないもんだね。」
木村「白くなった原因はまだ分かっていないのですが、今思うと日頃の行いが良い我々のために、神様がプレゼントしてくれたのかもしれませんね。」
園長「神様のプレゼントか、君も良いことを言うね。ところで、木村くん。あの時、私のあだ名が『スーパーミリオン園長』って言ってくれたよね?」
木村「え、いや、あの…あ!テンテンのエサやりの時間だ!すみません!」

園長「ちょっと待ちなさい!…あぁ、行ってしまったようだ。けどしかし、黒い粉を勧めてくれたのも、泣きながらもテンテンに黒い粉をかけたのも、全部この動物園を守りたい一心でやってくれたことなんだよな。木村くんには感謝しなくては。」
木村「園長!園長!大変です!」
園長「ちょっと木村くん、後ろから急に話しかけないでくれよ。ちょっとだけ口から心臓が飛び出てしまったじゃないか。どうしたんだい?」
木村「テンテンが…テンテンが…」
園長「テンテンがどうしたんだい?」
木村「テンテンが元の白黒模様に戻ってます!」
園長「そんなばかな!なんてこった…せっかくシロパンダでブームになったのに。神様は何てひどいお方なんだ。そうだ!良いことを思いついたぞ!木村くん、はいコレ。」(木村に渡す仕草)
木村「『はいコレ』って、園長の黒い粉じゃないですか?これをどうするんです?」
園長「今度は、クロパンダで一山当てよう。」