西洋美術館のアルチンボルド展行ってみた。だまし絵と思いきや、意外と深いぞ!
暑い。梅雨の湿気もあいまって、今日は特に暑い。
こんなときは美術館に行って、エアコンの恩恵を浴びなくては。やって来たのは、上野にある国立西洋美術館。
アルチンボルド展をやっていたので、ちょっくら入ってみました。アルチンボルドといえば、野菜を集めて作った人物画が有名。絵画に興味がないひとでも、どっかで見たことあるはず。
休日だし人多いだろなーと思っていたら、2時ごろ行ってみるとそこまで行列ができてなかった。5分くらいチケット売り場で待って、そのままスッと展示室までいけました。テレビでも大々的に広告うってないせいかな?まぁ、個人的にはゆっくりみられるから嬉しいんですけどね。へへへ
感想
美術展を見る前までは、アルチンボルドの作品って「野菜とか花とか使った、ただのだまし絵」と思ってました。エッシャーの錯覚みたいに大衆向けの絵画かと高を括っていたら、意外や意外、けっこう深かったのです。
アルチンボルドはフェルナンド1世をはじめとして、ウィーンの王族お抱えの宮廷画家。王族の肖像画も描いていたのですが、野菜などを寄せ集めた奇抜な肖像画も人気をはくしていました。
特に野菜や動植物の精密さは圧巻で、科学者が研究に用いる図鑑などに使用されていたほど。なぜそこまで精巧な絵がかけたのか?アルチンボルドが勤めていたハプスブルグ宮廷には「クンストカンマー」と呼ばれる、自然物と人工物をコレクションした部屋がありました。いわば「知のアーカイブ」。大量の資料を保存し、自然と正直に向き合ったからこそ、ただのだまし絵に収まらず芸術にまで昇華出来ているのだと思います。
ちなみに、アルチンボルドの作品の題名になっている「四元素」は、そのころの自然を作り上げていた基本要素。いま考えるとトンデモな考えなのですが、その頃は「火」「水」「大地」「大気」で自然が構成されていると、真面目に考えていたそうです。
自然の構成物質で、王族の肖像画を描く。その背景には、王族が自然(この世界)を掌握してほしいという望みもあったそうです。うーん、深い!